生産体制
マシニングセンタは、
●予め組んだプログラムに応じた加工が可能
●工具を変えることで様々な加工に対応できる
●寸法精度とスピードを両立させた工作機械
●主に平面(板モノ)向き
●量産向き
の工作機械で、大実製作所の加工業務の中で最も重要な役割を担っています。
全ての加工担当者が図面を確認し、切削の順番や加工方法を幾つも考え、プログラミングから実際の作業までの全てのプロセスを一貫して行うのが大実流。その中でベストの方法で加工業務を行っています。
寸法精度は切削方法によって大きく変わりますので、これまでの経験の積み重ねが頼りです。
色々と教えてください。
大実製作所 筑西工場に導入し、試験運用を開始したロボットはマシニングセンタなどの工作機械に自動的に材料を供給してくれる機械です。
通常であれば、加工前後の材料のセット(取付け・取外し)は全て人が行っています。
ところが、このロボットには専用のパレットが48枚あり、そのパレット上に加工する材料を予めセットしておくことで、全てロボットが自動的に工作機械内の加工ステージに、材料を搬送・チャック(取付)してくれます。
その結果、かなりの自動化が図れますし、一人の加工従事者が複数の工作機械を管理できる様になりますので、リードタイム(納期)の短縮や加工コストの削減につながります。
量産加工メインの筑西工場の中で、効果を期待している設備のヒトツですね。
温度によって伸縮してしまうため、同じ形状でも、使用する材料が変更になると、同時に加工の順番や方法を変えてあげる必要があるので、それをプログラムに反映させています。特に冬は材料自体の温度には気を使います。加工に適切な温度に戻した状態で加工するよう段取りしています。
また、私が最も大切にしているコト。それは組んだプログラムを実行して、初めて出来上がった最初の一個目の検査です。ある意味、自分の加工方法に対する直感を試されているような感じですが、図面に記載のある指示寸法を全て確認しクリアできているとホっとひと安心です。
この段階を経て初めて加工時間短縮のための私の改善活動が始まるのです。仕上がりの美観を保ちながらも、加工速度を上げられる部分を模索するのですが、この作業が経験値を高めるには凄く大切なプロセスでして、加工方法の直観力を磨く勉強の時間でもあるのです。
一般的ではありますが、大実では加工担当者自らが社内の専用機械で工具の研磨をしています。汎用の工具以外にも、担当者毎に難易度の高い加工時に必要な「オリジナル工具」を準備している担当者もおります。それくらい、工具への探求心が強いという事でしょうか。
そうした工具に関する情報も含め、どうやって加工すると良いのかといった加工情報・経験を従業員どうして共有することが凄く大切だと思っています。どうしても自分の経験だけに頼ってしまうと、加工方法に関する視野が狭まってしまうので、他の機械を扱っている担当者と成功体験などを共有することで、自分のステージがどんどん上がってゆくと思うんですよね。だから、加工のプログラムを組む前には必ず、他の担当者の意見を聞くようにしていますし、私は班長としても、職場全員でそうした意識を持ってもらうように努めています。
Interview from Kenji Sekine
大実製作所ではFANUCとMAZAKのメーカーの機械を多く導入していまして、両方とも高性能なことに変わりありませんが、プログラムの組み方が大きく違うんです。私は両方とも扱えるのですが、私のメインの相棒はFUNUCの小型切削加工機「ロボドリル」です。
私、プロトタイプを作るまではとにかく手順・方法をシンプルに考えて、ギリギリ合格点を目指してプログラムを組むのですが、要求される品質が担保できそうなメドがたてば、品質とスピードを両立できるように、時間短縮を意識してプログラム改善を繰り返します。1,000個のオーダーに対して、1個あたり1分短縮できれば1,000分短縮できるわけですから、非常に重要です。
ただ、中にはどうしても難易度が高い加工ゆえ、加工時間の短縮ができないモノもありますね。そんな時こそ、お客様に状況をご説明して、コストダウンや精度改善のフィードバックをさせていただき、次回以降の設計に役立てて頂きたいと思っています。
製造の立場だからこそできる合理的なご提案でお客様に貢献できれば、現場の職人冥利に尽きます。
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